ともりの困りごと研究所
家庭の事情で転勤に応じられないとき、会社がいちばん多く挙げる措置は 「転勤対象からあらかじめ外す」(64.7%)、次が「時期をずらす」(40.9%)です。 どちらも転勤の計画を立てる前でないと使えません。ところが打診は56.4%が1か月前までに行われ、 その前に必ず全員から事情を聴く会社は37.2%です。 いちばんよく使われる配慮ほど、早く届いていないと間に合わない——数えた話は 「転勤の事情は、打診より前に届いていないと間に合わない」に置いてあります。
国の手引きは会社に対して、毎年の自己申告書などに事情を書く欄を設けることを勧めています (第30段落)。けれどもそれは勧めであって義務ではなく、様式も示されていません (全43頁に「様式」という語が1件もありません)。欄があるかどうかは、勤め先によって違います。 この紙は、欄があったときに書き写せるよう、先に自分で整理しておくためのものです。
思いついた4つではありません。会社の側が確かめることになっている事柄に合わせてあります。
指針の3つは、どれも主語が会社です。この紙は、会社が確かめることになっている事柄を、 こちら側から先に書いておくためのもので、新しく何かを持ちこむ紙ではありません。
チェック欄にしていないのは、選択肢に収まらない人が多いからです。国の調査 (労働政策研究・研修機構「企業の転勤の実態に関する調査」2017年)は、転勤免除の配慮を求めた事情を 8つの選択肢(本人の病気/結婚/出産・育児/子の就学・受験/子の看護/親等の介護/持ち家の購入/配偶者の勤務)で 尋ねています。実際に求めたことがある710人のうち、「その他」が22.8%——「親等の介護」28.2%に次いで2番目でした。 8つ並べても、5人に1人は自分の事情を書けていません。
この紙は、何かを判定しません。点数も、段階も、「あなたの場合はこの措置が使えます」というまとめも出しません。 何が「十分な理由」にあたるのかを決める基準は、法にも、指針にも、国の手引きにも、国の調査票にも書かれていません。 研究所にも分かりません。
この紙は断りの紙ではありません。国の手引きは、転勤先の環境や会社の補助があれば転勤できる場合もある、 とも書いています(第32段落)。④の欄はそのためのものです。
出す・出さないは、あなたが決めることです。提出の義務があるものではありません。 書いたあと、勤め先に出さずに手元に置いておくだけでもかまいません。
育児・介護休業法についての相談先は、お住まいまたは勤め先のある都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です (同法第52条の4・第52条の5)。所在地は厚生労働省の都道府県労働局の所在地一覧から辿れます。 援助や調停を求めたことを理由に不利益な取扱いをすることは、条文で禁止されています(同法第52条の4第2項・第52条の5第2項)。