ともりの困りごと研究所

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「仕事が休みの日は保育園に預けられない」は、どこに書いてあるのか — 国の法令の本則には見当たらず、休日に働く人の平日の休みを聞いたFAQの答えに「基本的には」の一文があった

ともりの困りごと研究所 / 2026年10月4日

読んだ国の法令の本則に、「仕事が休みの日」を書いた条文は見当たりませんでした。読んだ国の文書で近い一文が見つかったのは、事業者に向けたFAQの1つの答えだけでした。日曜などに働いていて平日に週休日がある人の、その週休日についての問いへの答えで、「就労が認定事由である場合、保護者が就労していない日には、基本的には保育を受けられない」とあり、そのすぐあとに例外が2つ(休みの日に仕事が入ったとき・園が集団保育の観点から必要と判断したとき)が続きます。土日が休みの人や有給休暇の日にこの答えがどこまで及ぶかは、書かれていません。保育を提供する日と時間を決めるのは、法令の上では各施設の運営規程です。だから園や町によって言われることが違って見えるのだと思います。有給休暇の日をどう扱うかは、読んだ国の文書には書かれていませんでした。この記事は、休みの日に預けてよいとも、いけないとも言いません。

どこから来た問い

公開されている書き込みに、こういう声がありました。ふだんは在宅で働いていて、有給休暇が余るので、ときどき予定のない休みを取る。その日も子を保育園に預けて、ひとりで出かけることがある。迎えに行ったとき、先生が「あれ?」と思っているような気がする。同じようにしている人はいますか——という内容です。

その書き込みへの返事は割れていました。「保育園は家で保育できない家庭のためのものだから、親が家にいられる日は預けてはいけない決まりだ」という人がいて、「園や自治体によって違う」という人がいて、「平日が休みの仕事の人は、子が週に何日かしか通えないことになるのか」と尋ねる人もいました。別の場所には、仕事が休みの日に保育園へ預けることを、身内から繰り返し責められているという人の書き込みもありました。

研究所が確かめたのは、「休みの日は預けられない」という決まりが、国の文書のどこに、どういう言い方で書いてあるかです。国の法律・省令・府令と、国のFAQ・保護者向けの案内を読みました。市町村の決まりと各園の決まりは読んでいません(町ごと・園ごとに違うので、この記事の外です)。前の記事「保育園に『通わせなければならない』という決まりは、国の法令に見当たらなかった」が「休ませる」側から読んだ問いだとすると、こちらは「預ける」側から読んだ問いです。

法令の本則:「休みの日」の条文は無く、認定は月単位の「常態」で書かれている

児童福祉法、子ども・子育て支援法、その施行規則、保育所や園の運営の基準2本の本則を、条ごとに語で数えました。「休み」「休暇」「有給」「就労していない」は5本とも、休みの日の利用を定めた条文としては0件でした(「休暇」は運営の基準に1件ありますが、職員が休暇のときの代わりの保育の話でした)。同じ方法で施行規則の「休日」を数えると、幼稚園などの日数の数え方の条(第59条の2)が拾えるので、数え方そのものは働いています。

保育園を使うための認定の理由は、施行規則 第1条の5 にあります。働いている場合は、こう書かれています。

一月において、四十八時間から六十四時間までの範囲内で月を単位に市町村が定める時間以上労働することを常態とすること。(子ども・子育て支援法施行規則 第1条の5 第1号)

書かれているのは「月を単位に」「常態とすること」で、その日に働いているかどうかではありません。保育を使える量(保育必要量)も「1か月当たり平均275時間まで」のような月の上限で書かれています(第4条。前の記事に書きました)。

同じ第1条の5には、こういう号もあります。

育児休業をする場合であって、当該保護者の当該育児休業に係る子ども以外の小学校就学前子どもが特定教育・保育施設、特定地域型保育事業又は特定子ども・子育て支援施設等(…)を利用しており、当該育児休業の間に当該特定教育・保育施設等を引き続き利用することが必要であると認められること。(同 第9号)

下の子の育児休業で親が毎日家にいる間も、上の子が保育園を続けて使うことが、認定の理由として書かれています(「必要であると認められること」が条件で、認めるかどうかは市町村です)。「親が家にいる日は預けられない」が、国の決まりの全部に通っている線ではないことは、この号から分かります。ただし、この号は育児休業という場面の話で、仕事の休みの日の話ではありません。

保育を提供する日と時間は、施設が「運営規程」に書く

では、どの日に保育をするか、しないかは、誰が決めているのか。運営の基準(平成26年内閣府令第39号)の第20条が、保育所や認定こども園などに、運営規程を定めておくよう求めています。その中身として並んでいる11項目のうちの2つがこれです。

運営規程に書くこと条文の言い方
日と時間特定教育・保育の提供を行う日(…)及び時間、提供を行わない日(第20条第4号)
使うときの注意特定教育・保育施設の利用の開始、終了に関する事項及び利用に当たっての留意事項(第20条第7号)

施設は、使い始める前に運営規程の概要などを書いた文書を渡して説明し、同意を得ることになっていて(第5条)、運営規程の概要は施設の見やすい場所に掲示することにもなっています(第23条)。保育所の1日の保育時間についても、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第34条が「一日につき八時間を原則とし、その地方における乳幼児の保護者の労働時間その他家庭の状況等を考慮して、保育所の長がこれを定める」と書いています。

法令の形はこうなっていました。認定(使ってよい理由と量)は市町村が月単位で決め、日と時間と「使うときの注意」は施設が自分の規程に書く。「休みの日は家で見てください」という言葉が園から出てくるとすれば、置かれる場所は第7号の「利用に当たっての留意事項」のような欄だと思われます。ただし、実際の園の規程は1つも見ていないので、本当にそこに書かれているかは確かめていません。

国の文書で見つかったのは、休日保育を聞いたFAQの1つの答え

法令の外では、読んだ国の文書の中で、この場面に近いことを書いている所が1か所だけ見つかりました。こども家庭庁が掲載している「公定価格に関するFAQ(よくある質問)」の第32版(令和8年7月24日時点版)No.99です(同じ問答は、2015年の事業者向けFAQ【第7版】の「利用者負担に関すること」Q30 にもあります)。事項の欄は「休日保育の利用者負担額」で、問いはこうです。

常態的に休日保育を必要とする子どもの保護者にとっての週休日(例:店の定休日である火曜日が週休日)に、単発的な仕事が入った場合や、園の行事等のために保育を行う必要があると園側が判断した場合、当該火曜日に保育を受けることは可能でしょうか。その場合の利用者負担はどう取り扱うべきでしょうか。(公定価格に関するFAQ 第32版 No.99 の問い)

答えは、問いの場面ごと一文まるごと写します。

保育の提供は、原則として保育が必要な場合に限られますので、就労が認定事由である場合、保護者が就労していない日には、基本的には保育を受けられないことになりますが、お尋ねのように、通常の休業日に仕事が入り、保育を必要とする状態になった場合や、子どもに対する集団保育の観点から保育が必要であると園が判断する場合に、保育の利用を妨げるものではありません。また、その場合、別途の利用料を徴収することはできません。(同 No.99 の答え)

この答えから読めることを、分けて書きます。

同じFAQの1つ前の No.98 には、もう1つ関係のある答えがあります。働いていることで認定を受けた保護者が、冠婚葬祭など認定の理由とは違う理由で休日に保育を使うときは、「一時預かり事業により利用することが考えられます」。つまり国は、認定の理由(仕事)と違う理由の預け先として、一時預かりという別の入り口を想定しています。

読んだ国の文書に無かったもの

決まりの形から見えること(ここからは仮説)

読んだ範囲で、国の決まりは3つの層に分かれていました。

そう読むと、掲示板で返事が割れていたのは、どちらかが間違っているからではなく、違う層の話をしていたからかもしれません。「決まりだ」と言う人は国の考え方の層を、「園による」と言う人は施設の層を見ていて、どちらにも文書の上の足場があります。

そうだとすると、自分の場合にどうなのかを確かめる先は、通っている園の運営規程(入園のときに受け取った「重要事項」の文書)と、認定をした市町村だということになります。研究所には、あなたの園や町の決まりは分かりません。

確かめたこと/確かめていないこと

読んだもの児童福祉法(昭和22年法律第164号)(e-Gov法令検索・語を数えただけ)。子ども・子育て支援法(平成24年法律第65号)(同・語を数えただけ)。同法施行規則(平成26年内閣府令第44号)第1条の5・第4条・第59条の2(同)。特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業並びに特定子ども・子育て支援施設等の運営に関する基準(平成26年内閣府令第39号)第5条・第6条・第20条・第23条(同)。児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(昭和23年厚生省令第63号)第34条(同)。いずれも e-Gov の法令API の全文XML(10月2日に取得したもの)で、法令IDは法令一覧APIから引きました。こども家庭庁「公定価格に関するFAQ(よくある質問)(第32版)」(令和8年7月24日時点版・101頁。子ども・子育て支援制度のページに掲載のPDF)No.98・No.99(印刷の頁で12頁。列が混ざるので頁を画像にして読んだ)。同「子ども・子育て支援新制度 事業者向けFAQ(よくある質問)【第7版】」(事業者向けページに掲載のPDF)【利用者負担に関すること】Q29・Q30。こども家庭庁の保護者向けページ「すくすくジャパン!」
数え方法令の全文XMLを <Article> ごとにタグを外して空白を潰し、本則だけを対象にした。5本で「休日」「休み」「休暇」「有給」「就労していない」「常態」「日曜」「運営規程」を数えた。拾えたのは、施行規則の「休日」「日曜」=第59条の2(幼稚園等の日数の数え方)、「常態」=第1条の5、運営の基準の「休暇」=第42条(職員の休暇のときの代替保育)と「運営規程」5か条(第5・20・23・38・46条)だけで、休みの日の利用を定めた条は無かった。FAQ 2本は pdftotext -layout で読み、空白を潰して数えた(第32版:「就労していない」1件=No.99、「有給」0件、「在宅」0件/第7版:「就労していない」1件=Q30、「有給」「有休」0件)。答えの文が使う「休業日」と、近い語(「保育を必要としない」「必要がない日」「就労日以外」「勤務のない日」「仕事のない日」「仕事が休」「保護者の休」「家庭で保育」)でも数え直し、FAQ 2本・保育所保育指針・同解説(10月2日に取得したPDF)で、保護者の休みの日の利用に触れた所は No.99(Q30)のほかに出なかった(「保育を必要としない」5件は認定こども園の定員の話)。FAQ 2本の「休日」(第7版31件・第32版96件)は全部目で読み、休日保育加算・単価・土曜閉所の話で、No.98・No.99(Q29・Q30)のほかに保護者の休みの日の話は無かった
確かめたこと認定の事由が「月を単位に」「常態とすること」で書かれていること(施行規則 第1条の5 第1号)。育児休業中の上の子の継続利用が認定の事由にあること(同 第9号)。運営規程に「提供を行う日及び時間、提供を行わない日」と「利用に当たっての留意事項」を書くこと(運営の基準 第20条第4号・第7号)、その概要を文書で説明し同意を得ること(第5条)、掲示すること(第23条)。保育所の保育時間を保育所の長が定めること(設備及び運営の基準 第34条)。公定価格FAQ 第32版 No.99 の問いと答えの全文(事業者向けFAQ【第7版】Q30 と同じ文)。No.98 の、冠婚葬祭など認定の理由と違う理由で休日に使うときは一時預かり事業が考えられる、という一文
確かめていないこと市町村の条例・規則と、各園の運営規程・重要事項の文書(1つも見ていない。「休みの日は家庭で」がどこに、どの強さで書かれているかは町や園ごとに違うはず)。有給休暇の日の扱い(読んだ国の文書に記述が無い)。新型コロナの時期に、国が保育所の登園について出した事務連絡(文書を探していない。もしあっても、その時期に限った文書で、いまの決まりとは分けて読む必要がある)。認定こども園・小規模保育などで違いがあるか(運営の基準の地域型保育の条は読んでいない)。No.99 の答えの一文目が、休日保育以外の場面にどこまで及ぶか(国の文書の中に、それを書いた所は見つけていない)
していないこと個別の相談に答えること。休みの日に預けてよいか、いけないかを言うこと。書き込みの人や、その人を責める人の言い分のどちらが正しいかを決めること。書き込みの文章を再掲すること

いま困っている方へ

ここに書いたのは、国が公開している法令とFAQを読んだ結果です。一般的な話であって、あなたのご家庭や、通っている園・お住まいの町の決まりは研究所には分かりません。

自分の園ではどうなのかは、入園のときに受け取った「重要事項」の文書(運営規程の概要が書かれているもの)を見るか、園に聞くのが確かです。施設は運営規程の概要を文書で説明して同意を得ること、見やすい場所に掲示することになっています(運営の基準 第5条・第23条)。認定の扱い(仕事の日数や時間が変わったときなど)は、認定をしたお住まいの市町村の保育の担当に聞けます(認定は市町村が行う。子ども・子育て支援法 第20条)。

仕事と違う理由で預け先が要る日(冠婚葬祭など)については、国のFAQは一時預かり事業を挙げています(公定価格に関するFAQ 第32版 No.98)。一時預かりがあるかどうか、どう申し込むかは市町村によります。

保育を使える時間の上限については休ませる日の記事に、お迎えの時刻についてはお迎えの時刻の記事に書いています。

元になった声について

この記事は、公開されている書き込み2件と、それへの返事のやり取りから始まりました。書き込みの文章そのものは残していません(研究所が持っているのは1行の要約と元のURLだけです)。同じことで困っていたら、投稿箱で教えてください。研究所はメールも名前も受け取りません。