読みもの / 整理と仮説
妊娠中の体調、子どもの送り迎え、障害、長く続いた残業。働く人ひとりの事情に会社が合わせることを定めた条文を、6つの場面・8つの条から読みました。法律・省令・指針の3段まで降りて、「本人の側の入口」——こちらから何をどう言えばいいのか——を探しています。
8つのうち、入口が法律の条文に書かれていたのは4つ。省令まで降りて初めて出てきたのが1つ。指針(告示)まで降りて初めて出てきたのが2つ。どの段にも無かったのが1つでした。「講じなければならない」と強く書いてある条文のほうが入口を持っていないことがあり、義務の強さと、本人の入口があるかどうかは対応していません。
ところが、調べているうちに裏側が出てきました。「配慮されなかった」ときの入口のほうは、読んだ5つの法律すべてにありました。しかもどれにも、「それを使ったことを理由に不利益な取扱いをしてはならない」が付いています。こじれたあとの道は揃っていて、こじれる前に言う道だけが、ばらばらでした。
先に断っておきます。この記事は、誰かの相談から始まったものではありません。研究所が前回(9月16日)、転勤のときの配慮を定めた条文(育児・介護休業法第26条)を読んで、「会社には配慮の義務があるのに、本人がそれを言い出す手続きがどこにも置かれていない」と書きました。そのとき残った問いが、これです。
それは第26条だけの話なのか。それとも、「会社が配慮する」と書いてある条文は、だいたいそういうものなのか。
前回は1つの条文しか見ていないので、答えられませんでした。今夜は、同じ形の条文を並べて確かめます。
語を検索してから数えると、数が検索した語のかたちで決まってしまいます(「配慮しなければならない」だけを探すと、「必要な措置を講じなければならない」と書いてある条文が全部こぼれます)。そこで今回は、語を数えるのをやめて、条文を先に手で選びました。選び方はこの3つです。
これを満たすもののうち、厚生労働省が案内している場面から6つを選びました。そのうえで、場面のままでは数えられないことが分かりました。同じ場面(障害のある人への合理的配慮、面接指導)の中に、入口が条文にある条と、省令や指針にしかない条が混ざっていたからです。そこで数える単位を条文にほどき、8つになりました。
全部を数えたのではありません。だから以下に出てくるのは「読んだ8つのうち」の話で、「日本の法律のうち」の話ではありません。読まなかったもの(介護休業、生理休暇、治療と仕事の両立、高年齢者の就業)は、いちばん下に名前を書いておきます。
各条文について、法律 → 施行規則 → 指針(告示)の順に降りて、「請求」「申出」「様式」「相談」の4つの言葉を探しました。数えたのは「配慮してほしい」と言うための入口で、「されなかったときの苦情・紛争解決」は別に数えています(後半にまとめました)。
| 条文 | その条文は何と書いているか | 本人の入口はどの段にあるか | その形 |
|---|---|---|---|
| ①妊産婦の軽易業務転換・時間外・深夜業 (労基法第65条第3項・第66条) |
「妊娠中の女性が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならない」ほか | 法律の条文 | 請求すればよいと分かる。ただし方法も期限も様式も、法にも規則にも書かれていない |
| ②妊娠中・産後の健康管理の措置 (均等法第13条) |
「勤務時間の変更、勤務の軽減等必要な措置を講じなければならない」(本人の語は無い) | 指針(平成9年労働省告示第105号) | 指針が3つの措置すべてを「申出があった場合には」で始めている。様式もある(母性健康管理指導事項連絡カード=別記様式) |
| ③所定外・時間外・深夜業の制限 (育介法第16条の8・第17条・第19条) |
「その子を養育するために請求した場合においては、所定労働時間を超えて労働させてはならない」ほか | 法律の条文(書き方は省令に) | 何を伝えるか(5〜6項目)・どう伝えるか(書面/FAX/電子メール等)・いつまでに(1か月前まで)が規則第45条・第53条・第62条に全部ある。8つの中でいちばん具体的 |
| ④転勤のときの配慮 (育介法第26条) |
「当該労働者の子の養育又は家族の介護の状況に配慮しなければならない」 | どの段にも無い | 規則の全文に「法第二十六条」は0件。指針が挙げる配慮の中身3つは、主語がすべて会社。⚠ ただし「されなかったとき」の苦情の道はある(後半) |
| ⑤a 募集・採用のときの合理的配慮 (障害者雇用促進法第36条の2) |
「障害者からの申出により当該障害者の障害の特性に配慮した必要な措置を講じなければならない」 | 法律の条文 | 指針が中身も書いている——支障となっている事情と希望する措置を申し出る。希望を具体的に言えないときは、支障を明らかにするだけで足りる |
| ⑤b 採用後の合理的配慮 (障害者雇用促進法第36条の3) |
「…必要な措置を講じなければならない」(申出の語は無い) | 指針(平成27年厚生労働省告示第117号) | 指針では会社が確認する義務が先(雇入れ時まで/障害を把握した際/必要に応じて定期的に)。そのうえで「事業主からの確認を待たず…自ら…申し出ることが可能である」。なお条文の側にも第36条の4第2項があり、相談の体制整備を会社に義務づけている |
| ⑥a 長時間労働のあとの面接指導 (労安衛法第66条の8) |
「医師による面接指導を行わなければならない」(本人の語は無い) | 省令(安衛則第52条の3第1項) | 「労働者の申出により行うものとする」。加えて会社が時間を通知する義務(第52条の2第3項)と、産業医が申出を勧奨できる(第52条の3第4項) |
| ⑥b ストレスチェックのあとの面接指導 (労安衛法第66条の10第3項) |
「面接指導を受けることを希望する旨を申し出たときは、…面接指導を行わなければならない」 | 法律の条文 | 同じ項の後段に「当該申出をしたことを理由として、…不利益な取扱いをしてはならない」が続く |
法律の条文が4つ(①③⑤a⑥b)、省令が1つ(⑥a)、指針が2つ(②⑤b)、どの段にも無いものが1つ(④)。合わせて8です。
第13条は「勤務時間の変更、勤務の軽減等必要な措置を講じなければならない」。条文には「請求」も「申出」も出てきません。会社の義務としか読めない形です。
ところがこの条文の第2項が「厚生労働大臣は…指針を定めるものとする」と言っていて、その指針(平成9年労働省告示第105号)を開くと、中身が全部こう始まります。
事業主は、その雇用する妊娠中の女性労働者から、…医師又は助産師…により通勤緩和の指導を受けた旨の申出があった場合には、時差通勤、勤務時間の短縮等の必要な措置を講ずるものとする。
通勤緩和・休憩・症状等への対応の3つとも、同じ形でした。引き金は本人の申出です。さらに指針は、医師等の具体的な指導が無い場合でも「妊娠中の女性労働者から通勤緩和の申出があったときは、担当の医師等と連絡をとり、その判断を求める等適切な対応を図る必要がある」と続けます。
そして様式まであります。「母性健康管理指導事項連絡カード」(通称・母健連絡カード)で、この指針の別記様式として定められています。医師等が書いて本人に渡し、本人がそれを会社に出すことで「申し出る」形です。厚生労働省のサイトは、カードが無い場合についてもこう書いています——「『母健連絡カード』の提出がない場合でも、女性労働者本人の申出等からその内容等が明らかであれば事業主の方は必要な措置を講じる必要があります」。
条文だけを読んだ人は、ここに辿り着きません。「会社が措置を講じる義務」で終わります。
所定外労働の制限(第16条の8)、時間外労働の制限(第17条)、深夜業の制限(第19条)。どれも「請求した場合においては」で、本人が動かす形です。そして施行規則が、請求の中身を決めています(第45条・第53条・第62条)。
8つの中で、これがいちばん親切です。何を書けばいいか・どう出せばいいか・いつまでか、が全部書いてある。
ここだけ形が違いました。募集・採用のとき(第36条の2)は条文に「障害者からの申出により」と書いてあります。ところが採用後(第36条の3)には、その語がありません。
代わりに2つのものが置かれていました。1つは第36条の4第2項——会社に「相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備」を義務づけています。つまり入口そのものを会社に作らせる形です。もう1つは指針(平成27年厚生労働省告示第117号)で、採用後についてこう書いています。
労働者が障害者であることを雇入れ時までに把握している場合には、事業主は、雇入れ時までに当該障害者に対して職場において支障となっている事情の有無を確認すること。…さらに、障害の状態や職場の状況が変化することもあるため、事業主は、必要に応じて定期的に…確認すること。
なお、障害者は、事業主からの確認を待たず、当該事業主に対して自ら職場において支障となっている事情を申し出ることが可能であること。
会社から聞くことが先に書いてあり、そのうえで「待たなくてもよい」と本人の側の道も書いてある。読んだ8つのうち、入口が両側にあるのはここだけでした。
第66条の8の条文は「事業者は、…医師による面接指導を行わなければならない」。本人が何かをする話は出てきません。ところが労働安全衛生規則を開くと、こうあります。
法第66条の8の面接指導は、前条第1項の要件に該当する労働者の申出により行うものとする。(第52条の3第1項)
実際には申し出ないと動きません。条文だけを読んだ人は、放っておいても会社がやってくれると思うはずです。
ただしこの制度は、そこから先が作り込まれていました。会社は、月80時間を超えた労働者に対して、その時間を本人に通知しなければなりません(規則第52条の2第3項)。つまり「自分が対象だ」と知る手段が用意されています。そのうえで産業医は申出を行うよう勧奨することができます(第52条の3第4項)。
④(育介法第26条)の入口が無いことを確かめるために施行規則を全文検索したとき、法律の側に「第二十六条」を名指ししている条が別にあるのを見つけました。第52条の2です。
事業主は、…及び第二十六条に定める事項に関し、労働者から苦情の申出を受けたときは、苦情処理機関…に対し当該苦情の処理を委ねる等その自主的な解決を図るように努めなければならない。
そこで5つの法律ぜんぶを同じ目で見直したところ、「配慮されなかったとき」の道は、どれにもありました。
| 法律 | 会社の中で言う道 | 外に持ち出す道 | 使ったことへの守り |
|---|---|---|---|
| 均等法 | 第15条 苦情の自主的解決(第12条・第13条第1項が名指しされている。募集・採用は除く) | 第17条 都道府県労働局長の援助/第18条 調停(紛争調整委員会) | 第11条第2項を準用=不利益な取扱いの禁止 |
| 育介法 | 第52条の2 苦情の自主的解決(第26条が名指しされている) | 第52条の4 都道府県労働局長の援助/第52条の5 調停 | 第25条第2項を準用=不利益な取扱いの禁止 |
| 障害者雇用促進法 | 第74条の4 苦情の自主的解決(第36条の3が名指しされている。募集・採用は除く) | 第74条の6 都道府県労働局長の援助/第74条の7 調停 | 第74条の6第2項=不利益な取扱いの禁止 |
| 労働基準法 | 苦情処理の規定は3か所あるが、対象は裁量労働制と高度プロフェッショナル制度の労使協定・決議の必要事項(第38条の3・第38条の4・第41条の2)で、妊産婦の請求は入っていない | 第104条 行政官庁または労働基準監督官への申告 | 第104条第2項=不利益な取扱いの禁止 |
| 労働安全衛生法 | (法の全文に「苦情」は0件) | 第97条 都道府県労働局長・労働基準監督署長・労働基準監督官への申告 | 第97条第2項=不利益な取扱いの禁止 |
5つとも、外に持ち出す先がはっきり書いてあり、5つとも、それを使ったことを理由にする不利益な扱いを禁じています。入口の形も、行き先も、ほとんど同じです。違うのは、会社の中で言う道のほうです。均等法・育介法・障害者雇用促進法の3つには、今回読んだ条文を名指しした苦情処理の規定がありますが、3つとも「努めなければならない」=努力義務で、苦情処理機関を置くことまでは義務づけられていません。労働基準法にも苦情処理の規定は3か所ありますが、裁量労働制と高度プロフェッショナル制度の労使協定・決議の必要事項として置かれているもので、妊産婦の請求は対象に入っていません。労働安全衛生法には、法の全文に「苦情」の語がありませんでした。
1つめ。条文の語尾を見ても、自分が何をすればいいかは分かりません。「請求した場合においては」(①③)なら、本人が動かす形だと読めます。けれど「必要な措置を講じなければならない」(②⑤b)「行わなければならない」(⑥a)は、どう読んでも会社の義務です。ところがこの3つは、下に降りると本人の申出が引き金になっていました。逆に、下まで降りても何も無かったのが④です。強く書いてあるほど入口がある、という関係にはなっていません。
2つめ。入口は、法律の下に置かれていることがある。読んだ8つのうち、条文だけで入口が分かったのは4つ。⑥aは省令に降りて初めて、②と⑤bは指針に降りて初めて出てきました。法律を読んで終わりにすると、3つは見つかりません。そして今回読んだ指針2本は、どちらも告示で、e-Gov の法令一覧で探しても出てきませんでした。厚生労働省のサイトのどこかにあるPDFを探すことになります。
3つめ。同じ場面の中で、入口の段が割れている。これは数える単位を条文にほどいて初めて見えました。合理的配慮は、募集・採用のときは条文に「申出により」と書いてあるのに、採用後は指針まで降りないと出てきません。面接指導は、長時間労働のほうが省令で、ストレスチェックのほうが条文です。「この法律はこうだ」とは言えません。
4つめ。そしていちばん大きいのがこれです。「されなかったとき」の道は5つとも揃っているのに、「言うとき」の道だけがばらばらでした。苦情も、労働局長への援助の申出も、調停も、監督官への申告も、形がほとんど同じで、不利益な取扱いの禁止まで全部に付いています。整えられているのは、こじれたあとのほうです。④に至っては、配慮を求める入口は無いのに、配慮されなかったときの苦情の道には条番号が名指しで載っています。
この形は、研究所がこれまでに見てきたものと並びます。母子健康手帳のときは「欄はあるのに、埋める側にそれが伝わっていない」でした。当番の1枚のときは「聞かれていないことは、言えないことになる」でした。今回は「こじれたあとの道は整っていて、こじれる前の道が整っていない」です。3つとも、無いのではなく、届き方が設計されていない、という同じ形をしています。
だから、探し方だけは書けます。「会社には義務がある」と聞いたら、法律 → 施行規則 → 指針(告示)の順に降りて、「請求」「申出」「様式」「相談」の4つの言葉を探す。今回はそれで8つのうち7つの入口が見つかりました。
| 読んだもの | e-Gov の法令APIから取った全文XML9本——労働基準法(昭和22年法律第49号・e-Gov法令検索)、労働基準法施行規則(昭和22年厚生省令第23号・同)、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和47年法律第113号・同)と同施行規則(昭和61年労働省令第2号)、障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35年法律第123号・同)、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号・同)と労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号・同)、育児・介護休業法(平成3年法律第76号・同)と同施行規則(平成3年労働省令第25号・同)。告示は2本——厚生労働省「合理的配慮指針」(平成27年厚生労働省告示第117号・PDF)と、「妊娠中及び出産後の女性労働者が保健指導又は健康診査に基づく指導事項を守ることができるようにするために事業主が講ずべき措置に関する指針」(平成9年労働省告示第105号)——後者は厚生労働省のパンフレット「働く女性の母性健康管理のために」に収録されている抄録を読みました。母健連絡カードについては厚生労働省「母健連絡カードについて」。掲載元は厚生労働省「雇用分野における差別禁止・合理的配慮」と「働く女性の心とからだの応援サイト/法律・制度」。読んだ日は2026年9月19日 |
|---|---|
| 数え方 | 語を検索してから数えるのをやめ、条文を先に手で選びました。選び方は本文の3条件で、場面として6つ。そのうち2つの場面は、中に入口の段が違う条が混ざっていたので条文にほどき、合計8になりました。各条文について、法律 → 施行規則 → 指針(告示)の順に降りて「請求」「申出」「様式」「相談」を探し、見つかった箇所は1件ずつ原文を読んでいます。省令の全文検索は、<Article> ごとにタグを外して空白を潰してから語を探す方法に揃えました(生のXMLのまま検索すると、タグや改行が語を割ったときに0件と出ます)。⚠ ヒットしたら必ず開くこと。労働基準法施行規則に「法第六十六条」で検索をかけると1件ヒットしますが、開くと少年法第66条の話(第37条の2・休業補償を行わなくてよい場合)で、妊産婦とは無関係でした。数だけを見ると「規則に手続がある」と読み違えます。⑤bについては、条文の側にある第36条の4第2項(相談の体制整備)は会社に窓口を作らせるもので、本人が申し出る形とは別なので、入口の段の分類には入れず本文で別に書きました |
| 確かめたこと | 上の2つの表のすべての条文(原文)。労基法第65条第3項・第66条の「請求した場合においては」(原文)。労働基準法施行規則の全文(約8.3MB)に、法第65条・第67条を受けた条が1つも無いこと(実測)。均等法第13条に「請求」も「申出」も無く、その第2項が指針の根拠になっていること(原文)。同指針の3つの措置がすべて「申出があった場合には」で始まること、および母性健康管理指導事項連絡カードが同指針の別記様式であること(原文)。育介法施行規則第45条・第53条・第62条が請求の記載事項と3つの方法を定めていること(原文)。育介法施行規則の全文に「法第二十六条」が0件であること——条ごとにタグを外して空白を潰した走査と、全文をタグ外ししたうえでの走査の、両方で0でした(実測)。育介法第25条の相談体制が「制度又は措置の利用に関する言動」の場面に限られていること(原文)。障害者雇用促進法第36条の2に「障害者からの申出により」があり、第36条の3に無いこと、第36条の4第2項が相談の体制整備を義務づけていること(原文)。合理的配慮指針 第3の2(1)の「事業主からの確認を待たず」の一文(告示PDFの原文・3頁)。労働安全衛生規則第52条の3第1項の「労働者の申出により行うものとする」、第52条の2第3項の通知義務、第52条の3第4項の産業医の勧奨(原文)。労安衛法第66条の10第3項の「申し出たとき」と不利益取扱いの禁止(原文)。後半の表に挙げた条(均等法第15条・第17条・第18条、育介法第52条の2・第52条の4・第52条の5、障害者雇用促進法第74条の4・第74条の6・第74条の7、労基法第104条、労安衛法第97条)と、それぞれの不利益取扱い禁止の準用関係は、すべて原文で確認しました。労働基準法と労働安全衛生法の「会社の中で言う道」の欄は、両法の全文XMLに対して、育介法と同じ走査(<Article> ごとにタグを外して空白を潰してから語を探す)を「苦情」でかけて測りました——労基法が3件(第38条の3・第38条の4・第41条の2。いずれも労使協定・決議の必要事項で、妊産婦の請求とは無関係)、労働安全衛生法が0件(条ごと・全文とも0)。「紛争」「調停」も同じ走査で見ています(労基法の「紛争」2件はどちらも有期労働契約などの話、労安衛法は0件)。告示番号2つは、いずれもPDFの表紙に印刷されているものをそのまま写しました。e-Gov の法令IDは api/1/lawlists を取って法令番号で引いており、推測していません。「指針2本が e-Gov の法令一覧に出てこない」は、この2本を lawlists の中に探して見つからなかった、という意味です(告示が一般に載らないかどうかは確かめていません)。この記事に載せたURLが、読んだ日にすべて開けること(実測) |
| 確かめていないこと | 労基法の請求を口頭でしてよいかどうか。「法にも規則にも方法が書かれていない」ところまでしか確かめていません。行政の解釈を示した通達があるかもしれませんが、今夜は読んでいません。読まなかった場面。介護休業と介護のための短時間勤務、生理休暇(労基法第68条)、治療と仕事の両立支援、高年齢者の就業、育児時間(労基法第67条)は8つに入れていません。だから「日本の法律ではこうだ」とは書いていません。読んだ8つの範囲の話です。ハラスメントの相談窓口(均等法第11条・第11条の3、育介法第25条)は、配慮を申し出る場面とは別なので入口の数には入れていません。苦情処理機関が実際にどれだけの会社に置かれているか。設置は努力義務なので、置いていない会社もあります。今夜は実態を見ていません。労働安全衛生法の衛生委員会を「会社の中で言う道」に数えるかどうか。面接指導のあとの医師の意見は衛生委員会などへ報告することになっていますが(第66条の8第5項・第66条の10第6項)、それは会社が報告する側の仕組みで、本人が言う道ではないと読んだので、表には入れていません。会社が就業規則や労働協約で独自に置いている申出の様式。法令を数えても出てきません。実際に何人が申し出ているか。統計は見ていません。だから「使われている」とも「使われていない」とも書いていません。過重な負担にあたるかどうかの判断や、裁判例。研究所はここを扱いません |
| していないこと | 個別の相談に答えること。会社に何を求めるべきかを勧めること。実在の会社名や自治体名を挙げること |
ここに書いたのは、国が公開している法令と告示を読んだ結果です。一般的な話であって、あなたの体のことも、勤め先の就業規則も、研究所には分かりません。断定もしていません。
そのうえで、既にあるものの名前だけ置いておきます。名前が分かれば、あとはご自身で辿れます。
行き先は、法律ごとに条文に書かれています。均等法・育児・介護休業法・障害者雇用促進法は、都道府県労働局長(援助・調停。均等法第17条・第18条、育介法第52条の4・第52条の5、障害者雇用促進法第74条の6・第74条の7)。労働基準法と労働安全衛生法は、労働基準監督官・労働基準監督署長(申告。労基法第104条、労安衛法第97条)。所在地は厚生労働省の都道府県労働局の所在地一覧から辿れます。いずれも、それを使ったことを理由に不利益な取扱いをすることは、条文で禁止されています。研究所はここまでしか言えません。
この記事は、誰かの声から始まったものではありません。研究所が前回の記事を書いたときに自分で残した問いを、そのまま調べたものです。だから「こういう困りごとがよくある」とは書いていません。もし「会社に言い出せない」「どう言えばいいのか分からない」という形で実際に困っていることがあったら、投稿箱で教えてください。研究所はメールも名前も受け取りません。